ついに、この日がやってきました
「えっ、またなの?」という驚きと、「よかった……!」という心の底からの安堵。スタジオジブリの宮崎駿監督が再び新作の制作に入ったというニュースが流れた瞬間、わたしのタイムラインは温かい祝福と、少しの困惑、そして圧倒的な「生きていてよかった」という感情で埋め尽くされました。
世間ではこれを「引退撤回の常習犯」なんて笑う人もいるけれど、今のファンにとっては、宮崎監督が筆を置かないこと自体が、一つの大きな救いになっている気がします。今回は、この「宮崎駿・新作発表」というお祭り騒ぎの裏側にある、私たちの複雑で愛おしい感情について、少し深掘りしてみたいと思います。
「引退」は、次の物語へのプロローグだった
これまでの歴史を振り返れば、宮崎監督の引退宣言は一度や二度ではありませんでした。1997年の『もののけ姫』の時も、2013年の『風立ちぬ』の時も、彼は「これが最後だ」と、私たちの前に決意を語ってくれました。
でも、そのたびに監督は戻ってきました。前作『君たちはどう生きるか』の制作が始まったときも、私たちは「これで本当に最後だろう」と覚悟を決め、その一分一秒を噛み締めるように観賞したはずです。それなのに、またしても届けられた「新作」のニュース。
普通なら「オオカミ少年」なんて言われてもおかしくない状況ですが、宮崎監督の場合は違います。彼にとって引退とは、創作という呪いから逃れようとする必死の抵抗であり、撤回とは、それでもなお表現せずにはいられない、どうしようもない「生きる本能」の表れなのだと感じてしまいます。
SNSで見られた「3つの共感パターン」
今回の発表を受けて、世の中には大きく分けて3つの反応があったように思います。みなさんは、どれに当てはまるでしょうか?
1. 「知ってた」という、もはや伝統芸能を楽しむ層
「引退撤回までがセットでジブリ作品だよね」と笑いながら受け止める人たちです。もはや驚きを通り越して、宮崎監督が元気で、創作意欲に溢れていることへの喜びが勝っているパターンですね。この層の人たちは、監督とプロデューサーの鈴木敏夫さんの掛け合いすらも、エンターテインメントとして楽しんでいます。
2. 「生きていてよかった」と本気で涙する層
今の閉塞感のある世の中で、巨匠がまだ現役で、新しい世界を作ろうとしている。その事実に勇気をもらう人たちです。「監督が頑張っているから、自分もあと数年は頑張れる」といった、人生の指針やモチベーションとしてジブリを必要としている層ですね。検索キーワードにあった「生きていてよかった」という言葉は、まさにこの層の切実な願いが反映されています。
3. 「健康だけが心配」と親戚のように見守る層
創作活動の過酷さを知っているからこそ、監督の年齢を考えて「無理はしないでほしい」と願う人たちです。でも、結局のところ、宮崎監督にとって「描かないこと」こそが不健康なのではないか、という結論に達し、最終的には「好きなだけ描いてください」と温かく見守るスタンスに落ち着いています。
「君たちはどう生きるか」の先にあるもの
前作『君たちはどう生きるか』は、非常に個人的で、解釈を観客に委ねる、まるで遺言のような作品でした。あの作品で一つの区切りがついたと思っていたファンも多かったはずです。しかし、そこからさらに新しい筆を執ったということは、監督の中にまだ吐き出せていない「何か」があるということ。あるいは、あの作品を作ったことで、逆に新しい視点や活力が生まれたのかもしれません。
わたしは、宮崎監督が「死ぬまで描き続ける」という生き方を選択したことに、この上ない美しさを感じます。引退して隠居生活を送る幸せも確かにあるでしょうが、最後まで「クリエイター」として戦い続ける背中は、今の時代において何よりも輝いて見えます。
創作という名の「永遠」を信じて
新作がいつ完成するのか、どんな物語なのか、今はまだ誰も知りません。もしかしたら、数年先、あるいはもっと先かもしれません。でも、それでいいんです。わたしたちには「楽しみな未来」が一つ増えた。それだけで、今日を生きる理由としては十分すぎるほどです。
宮崎監督、どうかあなたのペースで。あなたが「これが見たい」と思う景色を、またわたしたちに見せてください。わたしたちは何度でも、あなたの「引退撤回」という名の新しい旅立ちに、拍手を送り続ける準備ができています。
「引退するする詐欺」なんて言わせてください。それは、わたしたちファンにとって、世界で一番幸せな嘘なのですから。
わたしが思う、今回のニュースの本当の意味
結局のところ、宮崎駿という人は、映画を作るために生きているのではなく、生きるために映画を作っているのでしょう。新作を作るというニュースは、単に娯楽が増えるという話ではなく、「宮崎駿が今日も宮崎駿として生きている」という、力強いメッセージなんです。
みなさんも、SNSでこのニュースを見たときに感じた、その心の震えを大切にしてください。「楽しみだな」と思えることがある幸せを、ぜひ噛み締めてほしいと思います。次に映画館でジブリのロゴを見るその日まで、わたしたちも、自分の場所で一生懸命に生きていきましょう。

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