はじめに:31年目の朝に寄せて
あの日から、31年という月日が流れようとしています。1995年1月17日午前5時46分。あの日、わたしたちが経験したこと、あるいは見聞きした記憶は、今もなお神戸の街と、わたしたちの心の中に深く刻まれています。
2026年1月17日、神戸市中央区の東遊園地では、例年通り「1.17のつどい」が開催されます。節目の30年を越え、31年目という新たな一歩を踏み出すこの年。震災を知らない世代が増えていく中で、どのように記憶を繋ぎ、鎮魂の祈りを捧げるべきか、改めて考える時期に来ているのかもしれません。
この記事では、現地へ足を運ぶ方はもちろん、遠方から想いを寄せたい方のために、2026年の「1.17のつどい」の参加方法やスケジュール、竹灯籠やライブ配信の詳細について、心を込めてお伝えします。
2026年「1.17のつどい」開催概要とスケジュール
2026年の「1.17のつどい」は、土曜日ということもあり、例年以上に多くの方が祈りを捧げに訪れることが予想されます。まずは、当日の主な流れを確認しておきましょう。
当日のタイムスケジュール
- 午前5時頃〜: 竹灯籠への点火開始(ボランティアの方々や参列者によって灯されます)
- 午前5時46分: 黙とう(震災発生時刻に合わせ、会場全体が静寂に包まれます)
- 午前中〜終日: 記帳・献花の受付
- 午後5時46分: 黙とう(夕方の発生時刻に合わせ、再び祈りを捧げます)
- 午後9時頃: 消灯・終了
※時間は天候や状況により前後する可能性があるため、当日は公式サイトの最新情報も併せてご確認ください。
現地で参加される方へ:竹灯籠と記帳のご案内
神戸の東遊園地に並ぶ竹灯籠は、震災で亡くなられた方々への鎮魂の象徴です。毎年、その年のテーマに沿った文字が灯籠によって形作られ、暗闇の中に浮かび上がります。
竹灯籠への想いと点火
竹灯籠の明かりは、単なる照明ではありません。一つひとつの火に、遺族の方々の想いや、復興への願いが込められています。当日、早朝に足を運べる方は、ぜひ点火に参加してみてください。自らの手で灯す火が、冷たい冬の朝を少しだけ温めてくれるはずです。わたしたちにできることは、この火を絶やさないこと。それは記憶を風化させないという決意でもあります。
記帳と献花について
会場には、記帳所と献花台が設置されています。記帳は、自分がその場に立ち、忘れないことを誓う大切な儀式です。特別な言葉は必要ありません。ただ、今の正直な気持ちをペンに託すだけで十分です。
献花用の花は会場でも用意されていますが、数に限りがあるため、ご自身で一輪の花を持参される方も多くいらっしゃいます。形式に囚われず、寄り添う気持ちを大切にしたいですね。
遠方から想いを繋ぐ:ライブ配信の視聴方法
「神戸へ行きたいけれど、距離や体調の都合で難しい」という方もいらっしゃるでしょう。そんな方々のために、近年はインターネットでのライブ配信が充実しています。物理的な距離があっても、心は一つに重なることができます。
ライブ配信の時間とプラットフォーム
例年、神戸市公式のYouTubeチャンネルや地元のサンテレビなどが、早朝の式典の様子をリアルタイムで配信しています。
- 配信開始時間: 午前5時30分頃から(式典開始前から現地の様子が映し出されます)
- メインイベント: 5時46分の黙とう前後
画面越しであっても、竹灯籠が揺れる様子や、会場を包む厳かな空気感は伝わってきます。自宅で静かに手を合わせる時間を持つことも、立派な追悼の形だとわたしは考えます。当日はぜひ、暖かい部屋からでも、神戸の空の下にいる人々と呼吸を合わせてみてください。
31年目を迎える意味:記憶を「語り継ぐ」ということ
31年という歳月は、震災を知らない世代が社会の中心へと育っていく時間でもあります。震災直後の痛切な記憶は、時とともに少しずつ輪郭が薄れていくかもしれません。しかし、だからこそ「1.17のつどい」のような行事が持つ意味は大きくなっています。
次世代と共に考える防災
2026年のつどいでは、若い世代のボランティア参加も目立つようになるでしょう。わたしたち大人ができることは、彼らに「怖かった記憶」だけを話すのではなく、「あの時、どうやって助け合ったのか」「街がどうやって立ち直ったのか」という希望の物語を併せて伝えていくことではないでしょうか。
竹灯籠の竹を切る作業、文字を考える時間、そして当日火を灯す瞬間。そのすべてのプロセスが、記憶の継承です。現地に行けない方も、SNSで当時の教訓をシェアしたり、家族で避難経路を確認したりする。そんな些細な行動の一つひとつが、31年目の正しい過ごし方なのだと感じます。
おわりに:わたしたちが今、想うこと
1.17が巡ってくるたびに、神戸の街は少しだけ背筋が伸びるような、静かな熱気に包まれます。31年目の2026年、わたしたちは再び、あの竹灯籠の明かりの前に立ちます。
直接会場へ行ける方も、ライブ配信で見守る方も、それぞれの場所でそれぞれの「1.17」を大切に過ごしてください。悲しみを共有するだけでなく、今生きていることの尊さを再確認する。そんな一日になることを、わたしは心から願っています。
震災は過去の出来事ではなく、今のわたしたちの生き方に繋がり続けています。2026年1月17日。神戸の空の下で、あるいは遠く離れた場所で、静かに祈りを共にしましょう。

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